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Lapinまで。 企画:Miette 発行/管理:Cabbage Design inc. 著者 やまもとゆみ 無断転載、複製は禁止します。 The ban on unapproved reproduction |
大好きなにおいは、キンモクセイ。 小学校の帰り道、どこからともなく風にのってやってくる甘いにおい。 秋のまんなかのにおいです。 学校の帰り道に大きなキンモクセイの木があって、どうしてもその枝がほしくて木に登っているところを見つかってしかられて逃げ出したこと。 その大きな木しかこの世にはないと思っていたキンモクセイが、実は家の庭にもあって庭のブランコをこぐとどこからともなくにおってきて、見上げたらあんなにほしかった花が鈴なりに咲いていた。 なつかしくてあまいにおい。 うちの店の向かいには、小間物や化粧品を扱っているお店があって今思えばじゅうぶんあやしいのだけど、キンモクセイの香りのコロンがあった。 店のおばちゃんにナイショでそっと手首につけてくれるのは、1つ年上のその店のおねえちゃん。 店の奥は薄暗い自宅で、色が白くて何もしゃべらないおじいちゃんのように見えるその子のおにいちゃんがいた。 「おにいちゃんは学校に行かなくていいの、いいなー!」 おにいちゃんはなにも言わずへらーっと笑っていた。 体が弱くて治らない病気の人がこの世にいるというのを初めて知った。 学校の帰り道、市民病院の横の溝で犬が死んでいた。 毎日その様相を変えて行く犬にこどもたちの好奇心は最高潮に達していたに違いない。 わたしもこわごわのぞきこんだ。 それも秋。 キンモクセイのにおいがしてくると毎年こんなことをわーっと思い出して、懐かしさとちょっと悲しい気持ちでたちすくんでしまうのだ。 そう先週も、駅前で...
by lapin-yumi
| 2005-10-21 21:52
| ネムネムノハナシ
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